コンピュータのデータは、1と0の2進数(バイナリ)の操作で視覚・聴覚の境界を越えた、新しいアートの素材に扱う事ができます。4万年前の洞窟アーチストは、黄土や茶色の土の顔料に出会って洞窟絵画を作り出しました。20世紀にアーチストはバイナリと言うアートの素材に出会って、視覚や聴覚の境界を越えるアートの方向に気付き始めています。この流れは絵画ではカンディンスキー、音楽ではスクリャービンのような、視覚や聴覚と言う分離された様式を乗り越えようとした、近代の試みを受け継ぐ21世紀のアートの可能性を内包するものです。
「視聴覚の分離と融合」はコンピュータ・イメージを、2進数で操作するビット演算XORを使って、2つの同じ長さのデータを作り出します。この方法はワンタイムパッドと言う、解読不可能な量子暗号に使われるデジタル操作と同じで、0と1が8桁のバイナリーは10進数の0から255までの数字に当てはまり、その数値を音階に変換する事で音楽ファイル、RGB値に返還する事で色彩画像ファイルを作り出します。アーチストがプログラムしたインターネット機能を持った、プロジェクト・プレイヤーはサーバーに置かれた書類を読み込んで、視聴覚が融合するプロセスを音楽と共に見せながら、再びオリジナルのイメージを作り出します。サーバーには、11種類の音楽・色彩画像ファイルがあり、世界中どこからでも鑑賞が可能です。
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