茶会 「赤心」
亭主 戸田惺山
花/室礼 片桐功敦
赤心/セキシン=嘘偽りのない、ありのままの心の意
KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭2018において、両足院(建仁寺内)で開催された中川幸夫「俎上の華」展のキュレーターを務めた華道家・片桐功敦が竹の茶室・帰庵と設けた一夜の茶会。
戦後の混迷期のいけばなの世界に革命を起こしたいけばな作家・中川幸夫に捧ぐ。
中川が生前にいけた花は無数にあるが、特に愛したのは赤い花々だった。
中川が座右の銘として常に心の片隅に置いた中野重治の「歌」という詩を片桐が朗読した。
歌 中野重治
お前は歌ふな
お前は赤まゝの花やとんぼの羽根を歌ふな
風のさゝやきや女の髪の毛の匂ひを歌ふな
すべてのひよわなもの
すべてのうそうそとしたもの
すべての物憂げなものを撥(はじ)き去れ
すべての風情を擯斥(ひんせき)せよ
もつぱら正直のところを
腹の足しになるところを
胸先を突き上げて来るぎりぎりのところを歌へ
たゝかれることによつて弾ねかへる歌を
恥辱の底から勇気をくみ来る歌を
それらの歌々を
咽喉(のど)をふくらまして厳しい韻律に歌ひ上げよ
それらの歌々を
行く行く人々の胸廓にたゝきこめ
--------
竹の茶室 帰庵
y-sukiya.com/kian/
KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭
kyotographie.jp/
--------
Film directed by Naoki MIYASHITA
URL : miyashitanaoki.net
Instagram : instagram.com/naoki_mi/