
映画祭の季節となったこの数か月、カンヌ、トライベッカ、サンダンスで多くのVimeoユーザーが受賞するのを見て、私たちはとても嬉しく思っています。アルゴリズム主導のクリップ動画が溢れる今、映画祭は人間によるキュレーションの価値を改めて教えてくれます。たくさんの優れた映像クリエイターが、人間の手で丁寧にキュレーションされているVimeoスタッフピックのおかげで、映像制作を開始し続けていく意欲と勇気が出たと言ってくれています。
アルゴリズムと生成AIによって動画コンテンツが変容する中、素晴らしい機会も数多く生まれ、ストーリーテリングの取り組みを加速しています。でもその一方で、信憑性に関する懸念も聞こえてきます。Vimeoは、高い透明性と信頼性を確保しながらクリエイターへの称賛と保護を提供する場所となることを目指しており、クリエイターと視聴者の両者がコンテンツの出所を把握できるプラットフォームであり続けるために、すでに積極的な取り組みを進めています。
本日、私たちはこの取り組みの一環として、利用規約とコミュニティガイドラインに関する重要な更新を発表します。この更新では、実在の人物、場所、または出来事と間違われる可能性のある、AIによって生成されたコンテンツ、合成によって生成されたコンテンツ、またはその他の目的を持って操作されたコンテンツに、ラベルを付けるようクリエイターにお願いしています。Vimeoは、創作プロセスにおけるAIの使用に対して強いサポートを示しており、Vimeoコミュニティではすでにこのツールが注目に値するさまざまな形で試されています。この新しいポリシーは、AI使用の透明性に対する世界的な関心の高まりを反映したものです。
なぜAIラベルは重要なのか
ディープフェイクやその他のAI生成メディアの増加に伴い、何が本物で何が合成なのかを識別することがますます難しくなっています。このことは、信頼が損なわれ、誤った情報が広まり、個人や社会に有害な結果をもたらす可能性をはらんでいます。
VimeoではAIコンテンツラベルを導入することで以下の目標を達成したいと考えています。
- プラットフォームの整合性を維持する。誤情報の拡散を防ぎ、特に世論を操作する恐れのあるディープフェイクへの対策を強化します。
- コンテンツの信頼性を維持する。偽物の動画コンテンツが視聴者に誤解を与えるリスクを軽減し、Vimeo コミュニティ内の信頼性と整合性を維持します。
- 視聴者を支援する。視聴するコンテンツを理解するための情報を提供します。
- クリエイターをサポートする。クリエイターの表現技法を明確にし、視聴者の信頼を維持できるよう支援します。
ラベルの仕組み
まもなく、クリエイターがAIの使用を自主的に開示していることを示すラベルが動画に表示されるようになります。このラベルは、Vimeo独自のAIツールを使って作成された動画にも表示されます。これは、コンテンツの価値に関するVimeoの意見を示すものではなく、食品ラベルの原材料のように、ユーザーに情報を提供するために表示されます。当社の長期的な目標は、AI生成コンテンツを確実に検出できる自動ラベル付けシステムを開発し、透明性をさらに高めてクリエイターの負担を軽減することです。
次のようなコンテンツにはラベルを付けることを推奨します。
- 実在の人物が実際には言っていない(またはしていない)ことを、言っている(またはしている)様子を示した描写。
- 実際の出来事や場所の映像の変更や加工。
- 実際には起こらなかった場面のリアルな再現。
以上のようなコンテンツには、AIを活用した音声、動画、または画像ツールを使用して、完全または部分的に変更/作成されたコンテンツが含まれます。

AI生成コンテンツを開示する方法
クリエイターは、動画設定ページから動画をアップロードする時に (またはその後で) ラベルを付けることができます。AI生成コンテンツのチェックボックスを選択し、オーディオ、ビジュアルまたはその両方のチェックボックスを選択してください。
ラベル付けが不要なコンテンツ
明らかに非現実的なもの、アニメーション化されたもの、明白に特殊効果が含まれているもの、または軽微な制作補助としてAIを使用したもの。

集団として共に担う責任
私たちは今後も、これまでの20年間と変わらずこのコミュニティと協力してストーリーテリングの未来を形作っていくことを楽しみにしています。この次世代の創造活動においては、クリエイターと視聴者の両者にとってプラットフォームの透明性がますます重要で不可欠な基盤になると信じています。Vimeoチーム一同、この新たな一歩を共に踏み出してくださる皆さまに、心より感謝申し上げます。