新CEOからのAIに関するご案内

フィリップはVimeoのCEOです。
Philip Moyer
AIに対するVimeoの取り組みと、コミュニティからのフィードバックの募集。

Vimeoコミュニティへ

皆さまの温かい歓迎に、心から感謝しています。多くのクリエイターが自らの経験を共有し、ストーリーを通して私たちに人間らしさを思い出させてくれるこのプラットフォームに参加できることを、とても嬉しく思います。

就任してからの数週間で、社員やお客様、株主の方々から、テクノロジーと創造性が交わる場における重要な課題について、さまざまなご意見をいただきました。こうしたトピックの重要性を踏まえ、まずは皆さまと対話を始めたいと思います。

第七の芸術(映像)の歴史とは、より優れたストーリーテリングを目指してテクノロジーを活用してきた歩みでもあります。1902年にジョルジュ・メリエスが、月面にロケットを「衝突」させるために画像を重ねた初期のトリック映像に始まり、トーキー映画、テレビ、3Dアニメーション、長編型のゲーム、そして15秒のTikTok動画まで──。新たな技術が登場するたびに、「人間の声が機械に奪われてしまうのでは」という不安が持ち上がってきました。けれども私たちは、そのたびに気づかされてきました。本物であることの力、そして笑い、恐れ、微笑み、涙、愛、畏敬の念──そうした人間らしい感情には、決して代わりがきかないのだということを。人工知能は、次なるツールにすぎません。これまでと同じように、そこに“魂”が宿るわけではないのです。

すでに何百万人ものクリエイターが、AIを活用しています。Vimeoでも、動画の録画文字起こし、要約、字幕作成、インデックス化をサポートするAIツールを提供しています。現在のAIは、膨大なデータからパターンを学習し、信頼性の高いアウトプットを生み出すよう設計されています。AIに与えられるデータが多ければ多いほど、その出力はユーザーにとって実用的なものになります。Vimeoには、6億5,000万本以上の動画と、2億8,700万人におよぶユーザーコミュニティがあります。私たちは、動画の制作・管理・共有といったあらゆる工程において、AIがその可能性を高めてくれると信じています。AIは、クリエイティブなプロセスを加速させ、よりパーソナライズし、場合によっては守る力にもなり得ます。同時に、私たちは、管理を担うコンテンツに対してAIが無制限に使用された場合に起こりうる、権利や創造的な表現の喪失についても、深く懸念しています。

VimeoにAIを導入し始めるにあたり、私たちは次のような原則を定めました。それは、どんな機能を開発するか、どんなパートナーと協力するか、そして倫理的で透明性があり、誰にとっても開かれた(インクルーシブな)AIの開発姿勢をどう体現するか、といった判断の指針となるものです。

  • 社会的責任の遂行
  • ユーザーの選択の尊重
  • 透明性と明確な説明の提供
  • 公平性とインクルーシブな設計の推進
  • プライバシーとセキュリティの保護

お客様からの信頼は、私たちにとって何よりも大切です。その信頼に応えるべく、私たちは常に透明性を重視しており、これまでVimeoでホスティングされているコンテンツを使って生成系AIモデルをトレーニングしたことは一切ありません。また、Vimeoでは、AIを使用するかどうか、あるいは自身の動画コンテンツがAIトレーニングに利用されることに抵抗がないかどうかを、ユーザー自身が管理・選択できるようにする革新的なサービス開発に取り組んでいます。

今後数週間にわたり、クリエイターの皆様がAIに対してどのようなコントロールを求めているかを把握するため、アンケート調査やコミュニティとの対話を通じてご意見を収集します。AIの利用状況、希望するトレーニング内容、オプトイン・オプトアウトの設定、そして動画の公開範囲(一般公開・非公開・限定公開)などについて、皆様のご意見を伺います。Vimeoアカウントをお持ちで、この取り組みにご協力いただける方は、件名に「AIアンケート」と明記のうえ、[email protected]までご連絡ください。

プロのクリエイターとの信頼関係はVimeoにとって欠かせません。私個人としても、Vimeoが次世代のAIツールを開発するうえで、クリエイター中心で透明性のあるアプローチをとり、コミュニティと継続的に対話・フィードバックを重ねていくことを重視しています。Vimeoはこれまでも、最新技術を活用して、クリエイターが自身のストーリーを映像で表現することを支援してきました。AIには大きな可能性があり、その活用がコミュニティや皆様が届ける素晴らしいストーリーに役立つよう、Vimeoは責任ある取り組みを進めています。