Vimeoチームが2025年サンダンス映画祭に参加
サンダンス映画祭はなぜ山の中で開催されるのか?
毎年、ユタ州パークシティの雪深い地でサンダンス映画祭が開催される理由を考えたことはありますか? 実は、サンダンス・インスティテュートは、カリフォルニア出身の俳優ロバート・レッドフォードとそのチームによって設立されました。彼らの目的は、「アメリカ映画における独立性、リスクテイク(リスクを理解したうえでの挑戦)、そして、新たな才能を育成するため」のクリエイティブ・ハブを提供すること。では、なぜ彼のような生粋のカリフォルニア人(またの名を「サンダンス・キッド」)が、アメリカ最大のインディペンデント映画祭をユタ州の小さな山間の町で開催することになったのか?答えはご想像の通りで、一人の女性が理由です。レッドフォードの最初の妻がユタ州出身だったことがきっかけで、そこから様々な物語が紡がれました。そして今日私たちが愛してやまないサンダンス映画祭が、「映画への愛」と「パートナーへの愛」から生まれ、今では国際部門も拡大され、アカデミー賞ノミネート作品や受賞作品を多く輩出する祭典となりました。まさに映画のような素敵な話ですね。
Vimeoが2025年サンダンス映画祭に参加した理由を教えてください。
嬉しいことにVimeoは毎年、映画祭に参加していますが、今年はなんと驚くべきことに、サンダンス短編映画プログラムの公式スポンサーになるという栄誉に浴しました。2025年サンダンス映画祭では、50本以上の短編映画がオンラインや現地で上映されました。プログラムのスポンサーとして、そのすべの映画を鑑賞することが私たちの仕事でした。また、素晴らしいパネルディスカッションを開催して、スタッフピックお気に入りのクリエイターにインタビューしたり、短時間または長時間の上映会に出席したり、映画業界の新旧の友人と交流したりすることもできました。スキー場に出かけたメンバーもいました。
さまざまなスキルを持つ映画関係者チーム
今年の映画祭には数多くの部門から代表者が集まりました。キュレーション、ソーシャル、動画制作、コンテンツ、人事のチームメンバーがサンダンスに集結し、映画を見て、ネットワークを構築し、さらに映画を見て、パネルディスカッションに参加し、もっと映画を見て、そう、沢山の映画を見ました。サンダンスでのあっという間の興奮に満ちた一週間をうまくお伝えできるよう、チームの印象に残った体験について、各自の言葉で語ってもらいました。
Vimeoチームの心に残ったサンダンス映画祭の体験
サンダンス映画祭の短編映画プログラム公式スポンサー
Vimeo史上初めて、サンダンス映画祭短編映画プログラムの独占スポンサーを務めました。映画祭トレイルの最高の旅を始めたばかりの各短編映画をサポートできたのは、非常に光栄でした。57本(!)もの映画すべてを見ました。普段はリモートで作業をしている私たちチームにとって、映像クリエイターと交流する時を分かち合えるのは大きな喜びです。私にとって、暗い劇場に座ってそれぞれのストーリーをじっくり味わうのも、短編映画の公式のパーティーを開催する時間と同じくらい素晴らしいものです。この春に始まる祝賀イベントに引き続き、毎年恒例の短編映画ツアーでは、世界中の70以上の劇場を訪れます。すべての映像クリエイターとそのクルーのことを考えて、とてもワクワクしています。
- メーガン・オレツキー、キュレーション・マネージャー
メンバーお気に入りの短編映画
サンダンス短編映画プログラムは、発見、リスクテイキング、そして忘れられないストーリーテリングの揃った聖杯です。今年のプログラムは私たちを世界一周旅行に連れて行ってくれました。とても嬉しいことに、今後数か月で、私たちお気に入りの数本の作品をVimeoでご紹介します。今年のサンダンス映画祭受賞作品、特にクリストファー・ラドクリフの力強い『We Were The Scenery』(予告編はこちら)とチアンケアの心温まるドラマ『Grandma Nai 』にお祝いを申し上げます。
- アイナ・ピラ、キュレーション・シニア・マネージャー
サンダンス映画祭の短編映画をさらに見たい方は、2024年サンダンス映画祭非公式おすすめ作品をご覧ください。
上映会、パネル・ディスカッション、パーティー、なんとまあ!
私たちは独自のパネル・ディスカッションを催しました
キュレーションの女王であるメーガンとアイナからのVimeoスタッフピックを勝ち取るに必要なことについての話を聞くのはいつも楽しいものです。今回、Vimeoによる「サンダンス映画祭からスタッフピックまで—短編映画が抜きんでる方法」というパネル・ディスカッションで、業界およびインフルエンサー・リレーションズ担当VPのデリック・ローズと対談した際にも、二人は期待を裏切りませんでした。理想的な短編映画を作る公式は存在しませんが、スタッフピックに選ばれるために考慮すべき4つのパラメータを提示してくれました。
- 卓越した技術
- 魅力的なストーリーテリング
- 独創性
- 多様な視点
一番のポイントとなるのは、これは4人のキュレーション・チームによる民主的な投票であるため、どの映画も各カテゴリーで10点を獲得する必要はないということです。映画によっては、技術面ではかなり高度でも、洗練されたストーリーではないかもしれません。ですが、これは問題とはなりません。キュレーション・チームは常にスタッフピックの候補者に対して、最も議論を引き起こす映画がお気に入り作品に入ることを伝えています。 ですから、どのようなタイプの映画を作るにしても、自分の意見を大切にしましょう。パネル・ディスカッションの全容はこちらでご確認ください。
レーガン・マーフィー、コンテンツ・シニア・ライター
…そして、ホストに追い出される必要などまったくない、完全に退屈なパーティー
サンダンス映画祭で一番のハイライトのひとつは、Vimeoが主催した短編映画授賞パーティーでした。短編映画を愛するクリエイティブな人々—顔見知りの人も新しく知り合う人もいましたが—そうした人々でいっぱいの部屋にいることは、信じられないほどエネルギッシュでした。彼らの作品を褒め称え、特に受賞者の喜びを目の当たりにしたこの夜は、本当に特別なものとなりました。最高の一週間を締めくくるのに、これほど素晴らしい方法はあるでしょうか。
- ハイディ・ジャックマン、シニア・ソーシャルメディア・マネージャー
スタッフピック卒業生の長編映画を鑑賞
映画祭のもう一つのハイライトは、スタッフピック卒業生の映像クリエイターが長編映画をリリースし、絶賛されたことです。今年の映画祭では、スタッフピック卒業生が監督した20本の長編作品が上映され、そのうち6本が長編デビューを果たしました。
中でも気に入った作品として、米国審査員大賞:ドラマ部門受賞作品の『Atropia』があります。これは、ヘイリー・ゲイツがスタッフピックに選ばれた自分の短編映画『Shako Mako』を脚色した作品です。4回スタッフピックを受賞したコール・ウェブリーは、悲愴な『Omaha』で長編映画デビューを果たしました。また、Vimeoスタッフピックの受賞者チャーリー・シャクルトンによる本格的な犯罪ジャンルを面白可笑しく解体した『Zodiac Killer Project』は、ネクスト・イノベーター賞を受賞しました。
- ボー・ファレル、キュレーション・マネージャー
寒い中でも、ネットワークに火がつく
私にとっては初めての映画祭で、ハードルが高いものでした。超人的なジョン・ハムから通りすがりの人々まで、会話を交わした人は皆、何らかの形でVimeoのことを耳にしており、映像制作コミュニティでの私たちの仕事に対して、明らかに情熱を示してくれました。
Vimeoのサンダンス映画祭短編映画プログラムのスポンサーシップは、『Indie Shorts Mag』、『The Hollywood Reporter』、『The Park Record』などの最高のメディアで取り上げられました。デリックは、ロサンゼルスの山火事がインディーズ映画製作者に与えた精神的な影響について、Yahoo! エンターテイメントで論じる機会をもらいました。この中で、彼は「この惨事にも関わらず、クリエイターたちの仕事への熱意や情熱が業界に希望に満ちた不屈の精神をもたらしてくれています」と述べています。この希望を胸に、来年のサンダンス映画祭では再びレベルアップしましょう。
- フランク・フィリアトロー、コミュニケーション・ディレクター
クリエイターのサポート
クリエイター・スポットライト・インタビューを開催
サンダンス映画祭の期間中、スタッフピックの卒業生のコール・ウェブリー、オーロラ・ブラクマン、ラタージ・シモンズ・ウィーバー、アレックス・ヘラー、ソフィア・カマルゴ、ジョセフ・ロンゴ、そしてアレックス・チンにインタビューする貴重な機会に恵まれました。映画祭では、4人が3本の短編と初の長編の上映会を行いました。そのうちのひとり、アレックス・チンは、Vimeo 2024年ブレイクアウト・クリエイターです。アレックスは現在、サンダンス脚本ラボと協力して、スタッフピックに入っている短編映画「Thirstygirl」を長編映画化しています。
映像クリエイターの皆が、映画を制作し、サンダンス映画祭で公開するまでの経験を惜しみなく語ってくれました。感傷的に聞こえるかもしれませんが、どのインタビューもとても心に染み入り、特別なものに感じられました。創造性が大いに掻きたてられる中、私は映画祭を後にしました。今から数週間で、こうしたクリエイターのスポットライト作品を公開するのが待ちきれません。ぜひご確認ください!
- クーパー・サベージ、コンテンツ・マーケティング・マネージャー
短編映画助成金も開始
現在の業界や芸術資金の状況を考慮する中で、映画祭参加者の皆様に、今月後半に開始される短編映画助成金プログラムも含め、2025年のコミュニティ計画をお知らせできることを嬉しく思います。5人の受賞者には、次の短編映画制作に向けた資金、機材、指導などが提供されます。もしかしたら2026年のサンダンス映画祭でお会いできるかもしれませんよ。
- メーガン・コステロ、キュレーター
エンドロール
今年のサンダンス映画祭で作品をプレミア公開したすべてのサンダンス映像クリエイターの皆様、おめでとうございます。Vimeoは、映画を通じてストーリーを伝えるためには、多大な時間、労力、資金が必要であることを認識してます。サンダンス映画祭の短編映画プログラムのスポンサーとして、皆様の作品を披露するお手伝いができることに心から感謝しています。来年、パークシティでお会いしましょう!