
マーケティングキャンペーンの作成や社内の情報共有、長尺のブランデッドコンテンツの公開など、動画はビジネスにおけるストーリーテリングの強力な手段です。見応えがあってわかりやすい動画は、多くのユーザーにとって魅力的なコンテンツとなります。ただし、高画質で長時間の動画はファイルサイズも大きくなりがち。数GBにもなるファイルは、制作のワークフローを遅らせたり、共同作業を妨げたり、公開時の負担になることもあります。そんなときに役立つのが「動画の圧縮」です。
このガイドでは、画質を保ったまま動画の容量を小さくする方法をご紹介します。動画圧縮の基本や、PCに搭載されたツールの使い方、画質を落とさないために押さえておきたいポイントを解説。さらに、Vimeoの動画圧縮ツールを使えば、動画をより軽く・速く・見やすく仕上げることができます。
Vimeoで動画を圧縮する →
動画圧縮とは?
動画圧縮とは、コーデック(圧縮・伸張ソフトウェア)を使って、動画ファイルの冗長または不要なデータを取り除き、ファイルサイズを小さくする処理のことです。圧縮された動画ファイルは、管理・配信・保存がしやすくなります。プラットフォームによっては、すべてのフレームを維持したままファイルサイズを削減できる「ロスレス圧縮」にも対応しています。
ビジネス利用はもちろん、クリエイターや一般ユーザーにとっても、動画圧縮には以下のような利点があります。
- すばやく共有できる:圧縮された動画ファイルは、アップロード・ダウンロード・送信がより簡単になります。
- パフォーマンスの最適化:ファイルサイズが小さくなることで、バッファリングの時間が短縮され、ストリーミングサイトなどでの再生パフォーマンスも向上します。
- コスト効率の良い保存:動画ファイルのサイズを最小限に抑えることで、クラウドストレージのコスト削減や内部サーバーの空き容量確保にもつながります。
動画の圧縮は、動画ライブラリの管理や製品ローンチに向けた素材の準備など、さまざまな業務をスムーズに進めるうえで欠かせません。
動画を圧縮する →
動画圧縮時に考慮すべき主なポイント
動画を圧縮する前に、圧縮後も画質を保つために重要なポイントを確認しておきましょう。
動画形式とコーデック
選択する動画ファイルの形式によって、ファイルサイズや互換性、さまざまなデバイスでの配信や再生のしやすさが変わります。たとえばMP4は、圧縮率と画質のバランスが取れた形式として広く使われています。一方で、MOVやAVIなどの形式はファイルサイズが大きくなりがちです。一般的には、H.264やH.265コーデックを使ってMP4に変換することで、多くのビジネス用途に適した結果が得られます。
ビットレートと解像度
ビットレートは、動画内で1秒あたりに処理されるデータ量を表します。ビットレートを下げることでファイルサイズを大幅に削減できますが、下げすぎると動きの速い映像や複雑なシーンで画質の劣化が目立つようになります。
ファイルサイズを抑えるには、画質を保ちつつ、できるだけビットレートを下げるのがポイントです。動画の解像度(例:1080pや720p)もサイズに大きく影響します。オンライン配信や社内用コンテンツなら、4Kを1080pに落とすだけでも容量を大幅に削減でき、画質への影響も最小限に抑えられます。シネマティックな映像で画質にこだわりたい場合は、高画質HDRに対応しているVimeoなら、より豊かで鮮やかな映像を共有できます。
圧縮方法とツールの選び方
動画を圧縮する方法はさまざまです。動画編集ソフトやオンラインの圧縮ツール、OSに標準搭載されている機能など、それぞれのツールに特徴があります。どれを選ぶかは、どの程度細かく設定を調整したいか、どんなファイル形式を扱うか、そしてどれだけ早く結果を得たいかによって変わってきます。
エンコード設定を手動で調整する必要がある方法もあれば、ワンクリックで圧縮できるシンプルなものもあります。ハイクオリティな制作ワークフローを求める企業には、Vimeoの動画編集ツールがおすすめです。ファイルサイズを抑えながら、画質はしっかりキープしてくれます。
他の動画圧縮プラットフォームとの違いが気になる方は、VimeoとDescript、VimeoとVEED、VimeoとWistiaの比較もチェックしてみてください。
Vimeoの動画編集ツールを試す →
動画のサイズを小さくする6つの実践的な方法
動画ファイルの容量を減らしたいときに使える、Mac、PC、iPhone、Android対応の6つの圧縮方法をご紹介します。
1. オンライン動画圧縮ツールを使う
オンラインの動画圧縮ツールは、ダウンロード不要で使える便利な方法です。急いでいるときや共有デバイスを使って作業しているときに役立ちます。
主な選択肢:
Vimeoで動画を圧縮する方法:
- Vimeoに動画をアップロードします。
- 解像度や形式など、希望する圧縮設定を選びます。共有ボタンのドロップダウンから「ダウンロード」をクリックすると、解像度が選べます。
- 圧縮された動画をダウンロードします。選べる解像度は240p、360p、540p、720p、1080pです。
動画圧縮の詳細については、ヘルプセンターをご覧ください。
ヒント:スマートフォンで撮影した動画を圧縮すると、アップロードの制限に引っかかったり、転送速度が遅くなったりすることなく、大容量ファイルを簡単に送信できます。Google Driveと連携すれば動画を直接Vimeoにアップロードできますし、Dropbox連携を使えばアカウントを接続してスムーズにアップロードできます。
Vimeoで動画を圧縮する →
2. WindowsまたはMacの標準機能を使う
一部のデスクトップOSには、基本的な動画圧縮機能が備わっています。
Windowsで動画を圧縮する方法(Clipchampを使用):
- Clipchamp (Windows 11では無料) を開きます。
- 動画をインポートします。
- 「エクスポート」をクリックし、低めの解像度(720pまたは480p)を選択します。
- Clipchampが動画を圧縮し、アップロードや共有に適した軽量ファイルとして保存してくれます。
Macで動画を圧縮する方法(QuickTime Playerを使用):
- QuickTime Playerで動画を開きます。
- 「ファイル」→「書き出す」を選択します。
- 720pなど、低めの解像度を選択します。
- 圧縮された動画ファイルを保存します。
3. VLC Media Playerで動画を圧縮する
VLCは無料で使えるオープンソースのプレーヤーで、汎用性が高く、オフラインで動画を圧縮する方法として便利です。
Windows/Macでの圧縮手順:
- VLCを開き、「メディア」→「変換 / 保存」を選択します。
- 動画を追加し、「変換 / 保存」をクリックします。
- 「プロフィール」で、「H.264 + MP3 (MP4)」などの形式を選択します。
- 設定アイコンをクリックし、解像度やビットレートを下げます。
- 保存先を指定し、「開始」をクリックします。
大容量の動画ファイルを送信する方法を見る →
4. 専用の動画圧縮ソフトを使う
DaVinci Resolve、Adobe Premiere Pro、Final Cut Proなどのプロ向け動画編集ソフトは、細かい調整が可能ですが、簡単な圧縮だけが目的の場合は操作が複雑すぎることもあります。
その点、Vimeoの内蔵動画圧縮ツールなら、画質を保ちながら手軽にファイルサイズを小さくできます。
より高度な編集ツールをお探しの場合は、ビジネス向け動画編集ツールのおすすめをご覧ください。
5. iPhoneやAndroidで動画を圧縮する
スマートフォンで撮影した短い動画を扱うなら、アプリストアにある軽量な圧縮アプリが便利です。
iPhoneで動画を圧縮する:
- 「Video Compress」や「Compress Videos」などのアプリを使用します。
- 動画をアップロードし、画質を調整して、軽量化されたファイルを端末に保存します。
Androidで動画を圧縮する:
- 「Video Compressor」や「YouCut」などのアプリを使用します。
- 圧縮したい動画を選び、圧縮レベルを設定して書き出します。
Vimeoでは、外出先でも手軽に圧縮や編集ができるモバイル向け動画編集ツールも提供しています。動画をアップロードしたあとは、数回クリックするだけで自分のサイトに埋め込むことができます。
6. より軽い形式で書き出す
元の動画ファイルがMOV、AVI、MKVなどの場合は、MP4(H.264コーデック)として再書き出しすることで、ファイルサイズを大幅に削減できます。プロジェクトファイル一式とあわせて動画を共有する場合は、PCの標準ZIP機能を使って一括圧縮すると、よりスムーズに共有できます。
互換性の高いファイル形式について詳しくは、動画ファイル形式ガイドをご覧ください。
Vimeoの動画圧縮ツールを試す →
動画の圧縮についてのよくある質問
動画を共有するには圧縮が必要ですか?
動画を共有したいだけなら、「アップロード → 圧縮 → ダウンロード → 送信」といった複雑な手順を踏む必要はありません。元の動画をそのままVimeoにアップロードして、リンクを共有するだけで済みます。受信者はリンクからそのまま動画を再生できるため、大容量ファイルをダウンロードする必要がありません。また、Vimeoのプライバシー設定を使えば、公開リンク、限定公開リンク、パスワード保護付きリンクのいずれかを選べます。
無料で動画を圧縮するには?
無料で使える動画圧縮ツールをいくつかご紹介します。
- WindowsならClipchamp、MacならQuickTime Player
- VLC Media Player
- Vimeoの無料編集ツールやHandBrakeなどのオンライン圧縮ツール
これらのツールを使えば、有料ソフトを購入しなくても動画のファイルサイズを小さくできます。
大容量の動画はどう圧縮すればいい?
ビットレート・解像度・形式を調整することで、より効率よくファイルサイズを抑えることができます。画質を落とさずにサイズを減らしたい場合は、MP4に変換し、解像度を1080pまたは720pに下げるのがおすすめです。
ヒント:Vimeoの圧縮機能なら、大容量の動画も画質を損なわずにスピーディーに処理できます。
高画質のまま、サイズの大きい動画を送るには?
大容量の動画ファイルも、Dropboxなどのクラウドストレージを使えば画質を落とさずに送信できます。動画をアップロードしてダウンロード用リンクを共有するだけでOKです。また、Vimeoのようなプラットフォームを使って動画を圧縮・ダウンロードすれば、ファイルサイズを小さくして、相手にメールで直接送信することも可能です。Vimeoにアップロードし、限定公開リンクを発行して共有する方法もあります。
メールで大容量の動画を送るには?
動画ファイルが大きすぎてメールで送れない場合は、クラウドストレージサービス(Google Driveなど)や、Vimeoのような動画共有プラットフォームにアップロードして、メールでリンクを共有するのが一般的な方法です。
ほとんどのメールサービスでは、添付ファイルの上限が25MBに制限されています。メールで動画を送信するには、以下の方法をお試しください。
- 上記の方法で動画を圧縮する。
- 低解像度のMP4形式で書き出す。
- 「ファイルを添付」コマンドを使用して添付する。
- または、動画をVimeoにアップロードし、メールで限定公開リンクを共有する方法もあります(圧縮は不要です)。
最もファイルサイズが小さい動画形式とは?
3GPやFLVのような形式は、ファイルサイズを最小限に抑えられる場合がありますが、互換性や画質に難があることがあります。ビジネス用途で最も一般的なのは、H.264圧縮をかけたMP4形式で、サイズと画質のバランスに優れています。
Vimeoでよりスマートに圧縮
適切な圧縮方法を選べば、ワークフローの効率を上げ、画質を保ちつつ、さまざまなプラットフォーム間での動画運用をスムーズに行えます。
大規模なウェビナーや研修用モジュール、クライアントへの納品データなど、どんな動画でもVimeoなら簡単に圧縮できます。Vimeoに搭載されている動画圧縮ツールを使えば、パフォーマンスを損なうことなくファイルサイズを削減可能です。また、圧縮したコンテンツを効率的に管理できる、プロフェッショナル向けのオンライン動画ホスティングソリューションも提供しています。